現地、実際の物件を販売事務所・現地モデルルームとして利用~新築マンションの値下げのタイミング その3

新築マンションには、いくつかの値下げされるタイミング、「値下げの交渉を受けます」のサインがあります。今回はそのひとつ、実際に販売しているマンション現地で営業を行うケース、について説明します。

建設費も維持費も結構高いモデルルーム

新築マンションに必ずと言って良いほど存在するモデルルーム(モデルギャラリー・インフォメーションセンター等の名前がついている場合もあります)。このモデルルーム、結構高いんです。

更地にプレハブを建てて、その中にマンションの住戸、例えば、3LDKの住戸や、場合によってはもう1部屋、4LDKの住戸を作ってしまう。
どれくらいの費用がかかるかと言うと、一戸建て、家ががラクに1棟建ってしまうほどの費用がかかってます。最低でも何千万という単位です。さらに大規模なものになると、シアター的に映像で物件の特徴を説明する部屋があったり、人よりも大きいマンションの模型を展示している物件もあります。
専用の建物を建てるケースのほかにも、ビルの1フロアを借りて、そのスペースを利用しているケースもあります。建築費は省略できますが、それでもマンションの住戸分の部屋の大きさ、モデルルームがあり、さらに商談スペース、キッズコーナーなど、結構な広さが必要となります。それ相当の賃料がかかります。
さらに、良い立地ならなおさら費用は多くかかります。
それだけの費用をかけてまで、モデルルームを作るのには理由があります。

そこまでして、なぜモデルルームを作るのか?

そこまでのお金をかけてモデルルームを作る理由は何なのか?
それにはいくつかの理由があります。

通常、マンションは建物完成前から販売を開始します。
実際のお部屋ではなく、モデルルームを見て部屋を想像し、建物が完成する前に契約。
そして完成時に内装のチェックを行い、引渡し、晴れてマイホームの誕生、この流れが基本パターンです。

完成前に売ってしまいたい、マンション分譲会社の都合

マンション分譲会社も、タダで建物を建てているわけではありません。お金を払って、建設会社に建物を建ててもらっているのです。
通常は、マンション分譲会社は、建物が完成した時に建設会社に建築代金を支払います。
もし、建物が完成してからの販売の場合では

1、全てのお金を立替える必要がある
 自己資金だけでやりくりできるような会社はそうありません。ほとんどの会社が銀行からマンション事業計画を基に融資を受けている、借りているのです。マンション分譲という投資にかけた資金を回収(マンションを販売)しなければ、借りた資金は返せません。

2、時間的なリスクが発生する
建物が完成してから新築と呼べるのは1年間、時間をおうごとにその価値は少しづつ減少していきます。

マンションが完成するまでの時間は永く、完成してから1年は短い。 その完成までの時間も無駄にせずに、販売する時間にあて、マンション分譲会社は建物完成前の完売を目指します。
そのための必要不可欠な販売ツールとして「モデルルーム・インフォメーションギャラリー」が必要となるのです。さすがに何も無い、または紙などの資料だけでは、どんなマンションになるか分からないので購入するお客さんはそういません。まだ完成していない段階で、「こんな建物、こんなお部屋になります」を体感してもらい、購入を決断してもらうためにモデルルームは存在します。

ちなみに、計画段階では売ることは出来ません。広告の開始時期、販売できる時期は法律で決まっており、建築確認(行政によるチェック、建築許可)を受けてからでは無いと、広告・販売を開始できません。

モデルルームは立地が勝負?モデルルームの設置場所

モデルルーム・販売センターは、実際にマンションが建つ、建設予定場所より立地的に良いところにあるケースが多いです。

この理由は、
立地が良ければ、それだけお客さんがくる可能性も高まるから
です。

駅徒歩3分のモデルルームなら、
「まぁ興味が無いワケではないから、もしも見て良かったら考えてみよう」など、
ちょっと行ってみようか、ともなります。
逆に、駅徒歩30分、など不便な立地だと、
「行く手間がかかるから、軽い気持ちでは足を運びにくい」
「ちょっとくらいの興味では行かない」、と、そこまで行くのだから、それ相当の見返りが期待できなければ行かないとなり、来場するお客さんの数に大きく影響がでます。

一見すると、遠い方が冷やかし客が来なくて良いのでは?とも思えるかもしれませんが、実際は正反対です。
お客さんに魅力を伝えるためのモデルルーム。
マンションの販売促進のためにモデルルームは存在しているのです。

モデルルームは、なるべく多くのお客さんに検討してもらうため、また、魅力を伝える接触機会が欲しいため、

モデルルームの立地 > 現地

と、実際のマンション建設予定地よりもモデルルームは良い立地に作ります。

ちなみに、もともと立地が良いマンション、都心の一等地のマンションは、モデルルームを作る立地が無いところが多いため、ちょっと異なりこの話は当てはまりません。

立地が良くないのにもかかわらず、それでもモデルルームを廃止し、現地に販売拠点を1本化するということは・・・

立地があまり良くないのに、モデルルーム・販売センターを現地に移す理由。
経費削減の意味はもちろんあります。
しかし、経費を削減しても、売れなければ意味がありません。

立地が悪ければ、当然、訪れるお客さんの数も減少します。
それでも立地が良かったモデルルームを廃止し、現地マンションに販売拠点を移すこと、それは、販売戦略が変わった可能性が高いということです。

例えば、
モデルルームがあった時の考え

「モデルルームに 100人来たら、そのうち 20人が見込み客になれば良いや」
たくさん人がくれば、そのうち何割かは見込み客に出来る、の考えから、

「お客さんが10人しか来ないなら、その 10人に買ってもらおう」
少ないお客さんでも何とか契約したい、という考え方に変わった可能性を示します。

そう、少ないお客さんでも決めるため、迷っているお客さんを一押しする切り札を行使することに・・・

魅力的な切り札、その切り札を知るには、一度現地販売事務所を訪れてみるのが一番

例)モデルルーム利用住戸をオトクな価格で販売、
ただし、キズなどを補修しません、
という名目での値引き。

例)モデルルームで利用している家具をつけます、
というオマケつき販売(販売住戸は未使用の住戸)

例)モデルルームまるごと売ります
というセット販売。(ただし、いつまではモデルルームとして使わせてね。)

などというケースもあります。
モデルルームを引き払う時点で、広告で値下げの告知をすることもありますが、当面はしない、というケースがよくあります。
これを確認するには、やはり現地を訪れてみることが一番です。
マンション販売会社は、まずは手持ちのお客さんで何とかしてみようと考えます。その次に広告で告知しよう、となります。現地を一度訪れており、かつ、検討中のお客さんとしてマンション販売会社さんに認識されている場合は、広告の前に個別に値下案内の連絡をもらえるかもしれません。

※現地を訪れる際は、「値下げしてよ」や「値下げできるんでしょ?」という、露骨な客にならないように注意。何回も書きますが、「冷やかし」や「嫌な客」になると、逆に値下げ交渉は失敗に終わりやすいです。コツはまた後日書きます。