新築マンションには、いくつかの値下げされるタイミング、値下げの相談を受けます、のサインがあります。今回はその中のひとつ、「完成済み、なおかつ、期分け販売」について説明します。
期分け販売とは、一気にすべての住戸を売り出すのでは無く、何回かに分けて時期をずらしながら販売する方法のことです。例えば、総戸数100戸のマンションだったら、第一期:30戸、第二期:30戸、最終分譲:40戸、とのように販売します。
期分け販売のだいたいの流れは次の通りです(例は三期に分けた場合)
1、予告広告(全体):○○地域でこんなマンションを販売しますよ【販売戸数:価格未定】
2、第一期 予告広告:いつ頃からこんな部屋を売り出しますよ【価格未定】
3、第一期 本広告:○月○日から申し込み受付開始、抽選方式の場合は抽選【価格決定】
4、第一期 販売開始
5、第二期 予告広告:いつ頃からこんな部屋を・・・・
第一期完売御礼!(完売した場合)
6、第二期 本広告:○月○日から申し込み受付開始・・・・
7、第二期 販売開始
11、最終期 予告広告:ついに最終期!いつ頃からこんな部屋を・・・・
第二期完売御礼!(完売した場合)
12、最終期 本広告:○月○日から申し込み受付開始・・・・
13、最終期 販売開始
基本的には、
予告広告(こんな予定です) → 本広告(これでやります) → 販売開始
の流れです。
期ワケ販売の場合、主に売主側(デベロッパー・不動産会社)には次のようなメリットがあります。
お客さんの反応を見て、今後の売り方を切り替えられる
売り手側の不安材料、それは、価格、売値が適正かどうかということです。
この価格で売りに出そう、とは決め手みたものの、本当にその値段で良かったのか?の不安は必ず残るものです。不動産は相対価格なので、どんな物件でも、価格が安い、お客さんが他の物件よりも割安だと感じれば売れ行きが良くなり、逆に、価格が高い、他の物件より割高だと感じれば、なかなか売れなくなります。
一度い全てを売りに出してしまうと、お客さんの反応が悪かった時に非常に困ります。
価格を下げるにも、既に購入したお客様の手前もあるし、イメージも良くない。しかし、価格を下げなければ売れ行きは伸びない、在庫が残る、人気が無いと思われてしまう・・・との負の連鎖、ジレンマに陥ります。
逆に期分けすることで、お客さんの反応が悪かった時は、次の期の販売価格を調節する、さらに、良かった場合は、「第○期完売御礼!」と売れ行きの良さをPRできるという利点もあります。
人気のある部屋・無い部屋の出荷をコントロールすることができる
また、一度に全ての部屋を売りに出してしますと、人気の出やすい部屋や、その物件の特徴となる部屋(例えば、オーシャンビューが売り物のマンションで、実際に海が見える部屋)が売れてしまう可能性があります。
そうすると、基本的に売れてしまった、無い部屋をPRすることは出来なくなる(不動産広告の決まりで、おとり広告として禁止されています)ので、今後その良い点を中心に広告することが出来なくなります(つまりオーシャンビューとPR出来ない、仮にPRした場合でも、「海が見える住戸は全て販売済みです」と記載せざるを得なくなる)。
その結果、売りにくい特徴の無い部屋だけが残り(オーシャンビューのマンションなのに海が見えない部屋ばかり)、広告も魅力が無くなるので、新しいお客さんに興味を持ってもらうことが出来ずに、売れ行きが悪くなる、というリスクが発生します。
期分けすることで、目玉を最後まで取っておける、最終分譲までオーシャンビューとうたえるマンションとなります。
一定規模の新築マンションでは、期分け分譲が主流になります。その理由は、マンションは完成するまでに時間がかかるため、実際にマンションが完成する前に販売を開始し、購入契約を行うケースが多いからです。
実際のお部屋ではなく、モデルルームを見て想像し、建物が完成する前に契約。完成前なのでセレクトプラン(内装の色などを選べたりする特典)があるケースもあります。そして完成時に内装のチェックを行い、引渡し、晴れてマイホームの誕生。これがよくあるマンションの購入の流れです。
それでは前置きがかなり長くなりましたが本題、
完成済みマンションで期分けする理由とは何でしょうか?
期分け方式は時間がかかる販売方式です。それを完成済みのマンション、時間が経てば新築とうたえなくなるマンション(その1「築1年」を参照)でも行っているということは、販売計画に狂いがあった証拠、とも言えます。ただ、当初の計画が甘く人気の無いマンションを作ってしまった、という理由よりも、マンション自体の質は良いものの、想定以上に周辺の相場がくずれて、結果的に割高になってしまった、というケースも多いです。
完成済みでも期分けをするということは、長い時間かけてでも在庫をコントロールして販売していくという姿勢の現れでもありますが、本音はちょっと苦しいというのが現状です。ここでも、表立っては値下げをせずに、迷っている客を決断させる一手として営業から打診される、現地だけのここだけの秘密の値下げが存在します。これも、実際に現地に行き、営業スタッフから説明を受けなければ分かりません。気になる物件があれば、やっぱり現地を訪れて営業スタッフから説明を受ける、これが一番の近道です。
※それでも、露骨に値下がりしませんか?と聞くのは止めよう。その1の最後でも書きましたが「嫌な客は不利なんです」
値引き交渉のコツは後日掲載します。ご期待ください(と書いて良いのかな・・・頑張ります。)